【スケッチアップ】始め方からモデル作成まで

この記事はこんな人におすすめ!

・設計課題やコンペでCADソフトを使用する建築学生
・初心者だけど、CADソフトでモデリングをしてみたい人

スケッチアップとは?

↓無償版スケッチアップのみで作ったパース。慣れればこのくらいのパースは30分くらいで作成できるようになります。

スケッチアップは3D CADソフトのひとつで、アメリカのTrimble社によって提供されています。3D CADソフトは主に建設業界で用いられており、スケッチアップはプロとアマ問わずに幅広く使用されています。

スケッチアップのライセンス

SketchUp for Web
 WEBのみで利用できる無償版。クラウドストレージは10GBまで。
SketchUp Pro
 インストールして使用できる有償版。
 様々な拡張機能やフォトリアルなレンダリングが可能。

スケッチアップの始め方

実際に無償版のスケッチアップを使用してみましょう。公式サイトでアカウント作成すれば、すぐに使用できます。

スケッチアップの公式サイトのアクセスし、「個人プロジェクト向け」タブから「SketchUp Free」でモデリングを開始をクリック。

モデリングを開始をクリックすると、サインイン画面が表示されるので、Trimble新規アカウントを作成するか、グーグル、またはアップルIDでサインインしましょう。サインインができればすぐに利用開始できます。

スケッチアップの操作方法

上の画像がスケッチアップの操作画面です。各操作機能は以下の通りです。

スケッチアップの操作画面の見方

ホームタブ
 環境設定やファイルの保存、エクスポートを行う。
ツールバー
 線や面、立体の作図、画面の視点移動を行う。モデリングは基本的にツールバーを使用する。
パネル
 影の設定やモデルの見え方の表現の設定を行う。基本的にモデル作成後の仕上げ時に使用する。
・測定表示
 線や面を作図するときにその幾何学的な情報を表示する。

作業を始める前に環境設定を変更しておきます。ホームタブより「アプリの設定」を表示し、「言語」を日本語にしておきましょう。

スケッチアップを使用するうえで、重要な概念を紹介します。これさえ押さえていればスケッチアップの操作についてはほぼ困ることはないはずです。逆にこれを知っておかないと、操作でつまずいてしまいます。その概念とは「線」「面」「立体」です。スケッチアップのモデルはこの3つで成り立っています。

スケッチアップの操作概念「線」

スケッチアップで線を引くにはツールバーの線ツールを選択し、始点をクリックしてから線を引き始め、終点でもう一度クリックすることで線を引くことができます。

スケッチアップの操作概念「面」

スケッチアップで面をつくるには、線をつなげてつくります。始点をクリックしてから1周してもう一度始点をクリックすると面が作成されます。実は「面」は面ツールを使用して簡単につくれますが、線ツールで作成したのは、今回伝えたいこととして「面は線によってつくられている」ということが言いたかったからです。

スケッチアップの操作概念「立体」

スケッチアップで立体をつくるには、プッシュプルツールを使用します。先ほど作成した面にプッシュプルツールを合わせて上にドラッグすることで立体が生成されます。ここで大切なのは「立体」は「面」で構成されるということです。

ここまで述べた基本操作概念をまとめると、

この概念が理解できれば操作はあとの操作は簡単です。


例えば先ほど作成した立体の面に1本線を引くと、そこに面が生成されます。その面からプッシュプルツールを使用して手前に引き出せば立体が生成されます。このようにモデルはこの3要素を駆使して作成していきます。

モデルを作成してみよう

それでは、実際に簡単な建築モデルを作成してみましょう。ここで紹介するのはあくまで一例でその他にも様々な方法でモデル作成することができます。今回は2階建ての住宅モデルを作成してみたいと思います。

面ツールを使用して、面をつくります。このときツール使用中に数値で横と縦の長さを入力して面の大きさ決定できます。入力するときは「数値 , 数値」のように横と縦のサイズをカンマで区切って入力します。入力したサイズは測定表示で確認できます。

正方形を生成したら、線ツールを使用して画像矢印のように線を引き、不要な面を選択ツールで選択してdeleteキーで削除します。これで土台となる面の完成です。

面からプッシュプルツールを使用して立体を作成します。作成したら、線ツールを使用してGL+300くらいの部分で立体の外周に線をつなげます。線をつなげると基礎部分となる面が形成されますので、面をプッシュプルツールでへこますことで地上の基礎部分を作成します。

基礎を作ったらガイドツールを使用して、2FLや窓、ドアを作図する部分にガイド線を引いておきます。ガイドを選択し、始点をクリックしてからガイド引きたい方向にドラッグすることでガイド線が生成されます。

オフセットツールを使って窓をつくります。外壁面に面ツールで面をつくり、オフセットツールで面を選択し、面の内側にドラッグすることで面を複製します。

すると面が2個生成されますから、これをプッシュプルしてガラス面と枠を作成できます。

上記の要領で、窓とドアを作成したのがこちらです。

外壁面に面ツールか線ツールで面を作成し、それをプッシュプルで引き出すことで庇をつくります。

先ほどと同じようにオフセットやプッシュプルツールを使用して窓とバルコニーを作成しました。

2階を作り終えたら屋根を作成していきます。線ツールを使用して画像矢印のように面を作成します。

作成した面を反対側の壁までプッシュプルツールで引き出します。すると傾斜面が作成されるので、その面をさらに引き出して屋根部分を作成します。

線ツールで屋根の側面を作成し、プッシュプルで四方の側面を引き出します。これで片流れの屋根ができました。

細かい部分を調整して、建物のモデル自体はこれで完成です。

モデルの仕上げ

モデルが完成したら見た目を仕上げていきます。ここからは主に「パネル」の機能を使用していきます。

マテリアルまたはテクスチャと言ったりもしますが、これは3Dのグラフィックにおいて、モデルに割り当てる材料の質感や色、模様のことを指します。スケッチアップにはデフォルトで「木」、「コンクリート」、「ガラス」といったマテリアルが用意されているので、これを面に割り当ててモデルの見た目を表現することができます。マテリアルはパネルの「マテリアル」から使用したいものを選択し、対象の面をクリックすることで割り当てできます。

ちなみにマテリアルは自分でアップロードして使用することも可能です。「マテリアル」タブからマテリアルをインポートより、マテリアルのデータをインポートします。データファイル.SKMの形式でなければなりません。

マテリアルを張り付けたのがこちらです。

次はモデルに影をつけてみましょう。パネルの「影」タブより影にチェックを入れると、モデルに影をつけることができます。時刻や日付を調整することで影の向きと大きさを変更、明暗を調整することで、影の濃さを変更できます。

周辺モデルをつくる

建物は完成したので、次は周辺の敷地を作ってみたいと思います。

モデルの情報量が多くなってきたらレイヤを別けて管理しましょう。レイヤとは情報をグループ別けして管理できる層のようなものです。モデルを全選択して右クリックから「グループを作成」よりモデル全体をグループ化します。

次にモデルを保存するためのレイヤを作成します。パネルの「タブ」より「タグを作成」をクリックして新規タグを作成してタグ名を設定します。タグの表示と非表示はここで切り替えます。

タグを作成したらグループ化したモデルを選択し、パネルの「エンティティ情報」タブをクリックして「タグ」のプルダウンを選択します。すると先ほど作成したタグが表示されるので、これを選択するとグループ化したモデルがそのタグに割り振られます。これでレイヤ作成が完了しました。

面ツールとプッシュプルを使用して敷地をつくります。敷地をつくったら、ガイドを使用して、面に境界線や道路の線を引いていきます。作成した敷地も先ほど同様にグループ化して新規タグに割り振りしておきましょう。

次は周辺の建物をつくります。今まで紹介した方法で適当な立体モデルを何個か作っておきます。周辺の建物モデルも一括グループ化して新規タグに割り振りします。

スケッチアップでは様々な人が作成した3Dモデルをインポートして使用することができます。パネルの「3Dギャラリー」をクリックすると3Dモデルの検索欄が表示されるので、ここに「車」と入れてみます。すると車の3Dモデルが出てくるので、これを選択してインポートすると車モデルが挿入されます。

車が挿入されました。

モデルをエクスポートする

モデルが完成したら、エクスポートするための視点を決めましょう。どの位置から見たモデルをエクスポートするか比較するためには「シーン登録」がおすすめです。パネルの「シーン」タブより「シーンを追加」をクリックすると、その画面の視点が保存されて、自由に呼び出しできるようになります。

モデルをエクスポートするときは、ホームタブの「環境設定を開く」から「エクスポート」で様々な形式での書き出しができます。JPEGやPNGなどの画像ファイルで書き出すときは「ダウンロード」から行います。

まとめ

というわけで今回作成したモデルがこちらです。

いかがでしたでしょうか。今後もスケッチアップを使用して、情報を発信していきますので、他の記事についてもご覧いただければ嬉しいです。最後までお読みいただきありがとうございました。